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不動産のプロ 高橋正典のコラム

情報開示がもたらす所有者利益とはVol.2

 

 

前回では、売主が情報開示したところで、実際にメリットがあるのか?そういう声が

 

上がっているとお話しました。

 

確かに、不動産売買時において行われる「重要事項説明書」に記載すべき内容以外の

 

ことで、買主にとって有益ではない情報までも開示させられたら、売れるものまで

 

売れなくなるというイメージは理解できます。

 

では、本当にそうでしょうか?

 

私は、情報開示のよって得られる利益は、逆に売主側(所有者側)と考えています。

 

経済学的な話に近くなりますが、情報が公開されない市場においては、むしろ売主側に

 

デメリットが生じているのです。

 

現実的な売買市場を少しイメージしてください。買主は良いものであればある一定の

 

金額を支払う用意があります。

 

一方ある一定の買主は、多少問題があってもいいから安いものでも良いと考えています。

 

こうした人たちが混在するのが買主の市場です。

 

つまり買主側が用意している、「購入可能金額」と売りに出ている「市場提供価格」

 

とがマッチすれば、取り引きは問題なく成立することになります。

 

そこで問題となるのが、先ほどの「良いもの」と「多少問題がある」ものとの選別です。

 

「情報の非対称性」という問題がここで出てきます。

 

購入者にとってみれば、「良いもの」であれば一定の金額を出す用意があるものの、

 

その「良いもの」かどうかの判断を行うに足る情報がないのが、今の市場なのです。

 

この、「良いもの」であれば出す用意のある金額を仮に「10」とすれば「10」に足る

 

情報がない以上「10」は出せないということになります。

 

結果的に数字上では「8」ほどになるために、「良いものが」良い価格で取引されない

 

という結果になります。

 

一方「多少問題がある」という買主にとって出す用意のある金額が仮に「5」だとした場合

 

「市場提供価格」は極力ネガティブな要素を排除しているために「6」或は「7」で提供

 

されるでしょう。

 

こうしたことから学ぶべきは、自らの不動産について高い価値を有している場合や価値を

 

保つためにきちんと維持メンテナンスしてきた所有者にとっては、とても悲劇的な市場に

 

なっているということです。

 

希望の価格や期待する価格で売れないのは、単にデフレ環境だからでもなく、決して

 

購入者が厳しいことを言っているのではないのです。

 

「良いもの」に対して一定の金額を支払う用意がある買主が存在しているにもかかわらず

 

それの期待値を下げざるを得ない「情報非対称性」の市場に問題があると言えます。

 

さて、このような背景も踏まえ、住宅流通市場においては、国を挙げての様々な「情報の

 

非対称性」の解決に向けた取組みがるのです。

 

その中で、先ほどご説明した「情報の非対称性」の解決を阻害しているともいえる仲介会社

 

3つの問題点

 

①顧客代理人としてのエージェント機能がないこと

 

②知識レベルの低さ

 

③事業者連携の未成熟

 

等を解決するための国の施策に関する提案の募集が行われました。

 

「平成26年度中古不動産取引における情報提供促進モデル事業」というものです。

 

この事業は、中古不動産取引においては、現在売主や宅建業者に物件に関する情報開示

 

のノウハウがないために、情報開示が不十分であるということを解決するための事業です。

 

消費者つまり購入者にとって、物件の情報が不足していることによる不安が円滑な中古

 

不動産取引の市場を阻害していることについて、具体的な解決提案を募集しました。

 

例えば、「売主による中古住宅売却時における情報の開示を促進する取組」や「買主に

 

対する幅広い情報提供、コンサルティング充実を図る取組」「売主側宅建業者と買主側

 

宅建業者の役割分担により明らかとなる物件情報開示に基づく中古住宅取引円滑化への

 

取組」と言ったものです。

 

これらの募集に際し、全国から17の協議会が採択を受けました。

 

次回では、その中での具体的な採択内容をご紹介してみたいと思います。 <つづく>

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